コロナに対して思うこと2

コロナに対して思うこと2です。

前回言ったとおり、小池都知事の対応について書きたいと思います。

 

まず私の個人見解を言うと、小池都知事というのは名誉欲が人一倍強い、ただの人だと思っています。自粛要請を声高らかに宣言することによって、コロナに対してものすごく有効に働きかけたとアピールしたいだけなのです。

自粛というのは諸刃の剣です。三密を回避せよと謳われることで、日々の生活もままならない人が出てきます。少なくとも経済的に打撃を受けることは誰でも予測出来ます。

経済が打撃を受けるということは、人の生活が脅かされる可能性があるということです。現代では経済活動を回すことで人々は生活しています。人の生きる糧が切られるということです。

しかし、それぐらいのことをしなければコロナの脅威を乗り切ることが出来ないということであれば、自粛するのも止むなしと思います。お金は最悪補填する。命はお金より大事だから。それは納得できます。

ただ、問題は今回のことが本当にそれぐらいのことなのかということです。

第一にコロナによる死亡者数です。2020/5/31現在で日本の死者数は898人です。1億2000万人中の898人です。0.0007%です。もし自粛・ステイホームの効果があった結果なのだ、もしくはPCR検査も受けられずに人知れず亡くなった方がいるのだとしても、極端に少ないと思わざるを得ないです。本当にそこまで気をつけるべきものだったのか。

第二に自粛前後での感染者数の推移です。虎ノ門ニュースに出演されている須田慎一郎さんの解説によると、自粛に効果があるとするのであれば、自粛開始の2週間後にガクンと感染者数が減らなきゃならないところ、実際は自粛前から徐々に減少していくという、自粛タイミングとは相関のない感染者数グラフになっていたということです。

この自粛による効果の有無は早急に検証するべき必要があるでしょう。もし効果がないのであれば二度とやるべきではない。

ただ、今の日本という社会は一回脳みそに棲み着いた考えを追い出すのにものすごくエネルギーがいる社会です。

初めてのことなので、対策を間違ってしまうことは仕方ないと思うのです。大事なのはそれが間違ってた時にちゃんと正しい方向に修正していかないといけない。これが今の日本ではとてもやりづらいです。お前、前にこう言ってたじゃねぇか!どうしてくれるんだ!とこうなります。うるせーボケ、と言いたくなりますが、悲しくもこれが現実です。自分で考えないのですよね。

政治家もその様な批判が怖いせいか、彼らが下した決断について丁寧に理由や根拠を説明しません。ブラックボックス化しているため、市民の考える材料が少なくなる。そして施策が変わった時に市民からの批判が強くなる。負のループに陥っていると思います。

でも、その時は間違ってないと思っていた施策なのであれば、それをやる。もしそれが間違いだと分かったときには堂々と認めて、正しい道に是正してやる、ということを繰り返さないと、社会は道を踏み外します。

日本市民のこういう悲しい風潮も風潮ですが、それを真に受けすぎるお偉いさんもお偉いさんだと思います。だれか堂々と責任を被って、1回これをやってみよう、ダメだったら私が全て責任を持つから。と言う人はいないのでしょうか。

(そういう意味ではニューヨークのクオモ知事の演説は感動的でした。虎ノ門ニュースでは結構こき下ろされてましたが)

話が逸れましたが、正しい道に是正するために、今までの施策がちゃんと正しい方向に進んでいたのか、検証は必ず正当なやり方でなされるべきだと思います。

 

冒頭に小池都知事について「名誉欲が人一倍強い、ただの人」と書いた訳ですが、私の予想では、この方は専門家の言っていることをあまり理解出来ていません。ただ、キャッチーな言い方をするために「三密」とか言ってみたり、コロナの記者会見中に急になんの脈絡もなく、「オリンピックは来年必ず成功させましょうね、と、私からバッハ会長に進言申し上げました」と言い出したり、人気を取りたいだけなのが丸見えです。下品なくらい。

挙句の果てには、ゴールデンウィーク前の4/27(月), 28(火)をステイホーム週間のために休みにしてくださいと各大企業に号令してきました。

自粛に効果がある前提で、この方策自体に文句はありません。作戦の一つとして考えられるものだと思います。問題はその号令をかけた日時です。

小池都知事はこの号令を4/24(金)の18:00に言ってきたのです。普通ならすでに帰宅している時間です。しかも働き方改革とか言って、働く時間を少なくして生産性を上げろ、と言っている昨今の状況の中ですよ。どの口が言ってるんだ?と思いませんか。

私もこのイチ企業の社員だったのですが、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたと思います。4/27, 4/28が休みになるのであれば、4/24が最終の出勤日ということになります。しかし我々はその時4/27予定の納品を控えており、顧客もうちに対する翌月の発注を控えている最中で、予想打にしない号令に社内は混乱を極めました。

聞いた話だと他の部は顧客との打ち合わせの調整のために奔走するも顧客が捕まらず、結局4/27, 28は出社してキャンセルの連絡を入れるという本末転倒な事態になっていたそうです。

私はこの件激しく小池都知事に対して不信感が沸きました。

号令をかけることが悪いこととは言いませんが、遅くとも前々日、最低前日にはそういう号令をかけるかもしれない、と、一言言っておくべきです。それならまだ準備が出来ます。普通ならそう考えます。というかすぐ予想出来ます。

こんな直前の直前で言ってくるということは、よっぽどの政治素人なのか、ただの名誉欲の塊なのかくらいしか思いつきません。多分、土壇場で、あ、良いこと思いついた♪ と思って、善は急げ(実際には全然「善」な結果にはならなかった)で言ってきたのでしょう。

 

自粛の話に戻すと、それが効果あるかどうか確認できるので試せたという意味はあるでしょう。ただ、私はこのウィルスは人から人への感染(もあるのでしょうが)よりも、モノから人への感染が強いと思っています。この場合自粛はさほど効果がありません。自粛すると言っても日常生活を送るために買い物はしなければなりません。その際に、コロナ感染者が触った商品やお金を触ることは十分に考えられるでしょう。確かに機会は減るでしょうが、コロナウィルスはモノの上で生き長らえる時間が他のウィルスよりかなり長いということなので、自粛で防げるものではないでしょう。

私はかねてより、モノからの感染を警戒していました。なのにマスコミや政府がマスクにしか焦点を当てないのはどういう理由なんでしょうね。マスクが不要とは言いませんが、同じくらい消毒も大事なはずです。マスクの増産の議論はするのになぜ消毒液増産の話が全然出なかったのか、ずっと今でも疑問です。

 

自粛が一旦解除になり、新しい生活が始まりましたが、小池都知事はさらに自分アピールするために自粛完全解除のロードマップなるものを出して来ました。一部の業種は1ヶ月ほど待たないと全解除にはなりません。経済の影響を受けて打撃を受けるのは自分ですからね。自分の人気だけが上がったって東京や日本がダメになれば終了です。そういうことを踏まえて、今までの施策に効果があったのか、小池都知事には是非ともその検証をやって頂き、意味のある施策をお願いしたいです。(あ、僕神奈川県民だった)